21Aug
みなさん、こんにちは。
前回までで、「情報社会」という1つの区切りが終わりましたので、次の内容に進んでいきたいと思います。
今回・次回は「情報デザイン」について触れていきます。
「情報デザイン」とは、整理・伝達・操作性の向上などを行うためのデザインの基礎知識や表現方法、その技術のことをいいます。
まずは一番身近に接している文字について説明していきましょう。
知っているかと思いますが、文字の書体を「フォント」といいます。フォントには多種多様なものがあり、どのようなフォントを使うことで、どのような効果が得られるかが異なります。一般的に用いられるものとして多いのは、「ゴシック体」と「明朝体」ではないでしょうか。視認性を求められる場面では、「ゴシック体」を用いることが多いですが、その中でも「丸ゴシック」か「角ゴシック」かで使い分けを行っているケースも多いと思います。一方で文字情報が多い場合には、一般に「明朝体」が用いられるケースが多いです。それ以外にも様々なフォントがあり、ポップ体や教科書体などその場面に応じたフォントを使用し、視認性・可読性・判読性のバランスを考えるとより良い文書になると言えます。
次に色合いについてです。
私事ながら、私は芸術的センスがあまりないので、細かく言及することは控えますが、知っておいて欲しい内容については触れておきます。
「色の三要素」とは、「色相」「明度」「彩度」の3つを指します。
「色相」は、色合い・色味のことを指し、一般的に「色」とはこの色相を指すことが多いかと思います。
次に「明度」は、そのままで色の明るさを指します。光の反射率に関係するものです。
「彩度」は、色の鮮やかさを示す指標です。少しでも彩度をもつ色を「有彩色」といい、彩度をもたない色を「無彩色」といいます。「無彩色」は、白~灰~黒と明度によって色味を表現します。
さて、美術の授業などで「色相環」は見たことがありますか?
「色相環」は、色相の関係を表した図であり、それぞれの色の立ち位置を確認することで、他の色との関係性の確認に用いることができます。
色相環で確認する際の用語について触れておきましょう。
「類似色」:色相環において隣り合った色
「補色」:色相環において向かい合った色
そして、色相環で確認するものではありませんが、「同系色」とは、同じ色相において明度・彩度が異なるものをいいます。
これらによって、それぞれの関係性を示したりすることによって、より「読みやすさ」が向上します。
ノートを書く時に、同じグループは、赤・オレンジでまとめ、それらと反対の意味を持つものを青緑系の色で書くとパッと見で判断できるというのは、類似色と補色の関係を用いた身近な例ですね。
次もまた、おそらく聞いたことがありそうなものをご紹介します。
「ピクトグラム」です。ピクトグラムとは、情報を抽象化し、単純な構図と明瞭な色によって表す視覚記号のことをいいます。非常口のマークなどが代表的な例ですね。文字が読みにくい場面であっても、その記号が見えればどういうものがあるかが概ねわかるというものです。
もちろん世界各国には、それぞれの国や地域で作成されたピクトグラムも存在するので、「必ず一目で必ずわかる!」とまではいかないですが、おおよその意味を理解することができるものが大半だと思います。
次の内容は、情報Ⅰで…というより少し前に多く話題に挙がっていたものです。今回の情報デザインの内容にも含まれているので、ご紹介します。
「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン(UD)」です。これも既にご存じの方が多いかと思います。
「バリアフリー」とは、生活する上での障壁を取り除く工夫のことをいいます。高齢者や障がいのある方を主な対象として、生活環境をより良くしていくというものです。
「ユニバーサルデザイン(UD)」とは、「サービス(製品)は、利用者の国籍・性別・年齢・身長・身体の障がいに関わらず、誰でも利用しやすいよう作られるべきである」という考え方、またそれに基づいたデザインのことを指します。
もともと、1994年(平成6年)に「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」(ハートビル法)が施行され、2002年(平成14年)に改正され、一定の建築物のバリアフリー基準への適合が義務化されました。その後、2006年(平成18年)に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」が施行され、ハートビル法と交通バリアフリー法(2000年(平成10年)施行)が発展的な統合を果たしました。さらにその2年後、2008年(平成20年)には「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進要綱」が決定し、2013年(平成25年)には「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が成立し、2016年(平成28年)に施行されました。
バリアフリーからユニバーサルデザインへ、対象者を広めた社会の発展が垣間見えますね。
さて、ここまでは習ったことや聞いたことがあるという方が多いと思われる内容について触れてきましたが、「情報Ⅰ」としては、次回part.2の内容の方が大切です。
次回、「情報デザイン part.2」にて、「ユーザインタフェース」、「ユーザシビリティ」、「PREP法」などについて触れていきます。