24Sep
みなさん、こんにちは。
本日は、リチウムイオンバッテリーに関するブログの3回目です。
危険性やその対策についての考えを書いていきます。
まずはじめに、極論は製品の技術仕様に則って、説明書通りに扱うこと です。
最近、ニュースでも見かけることが多くなり、このブログを書くきっかけとなった、発火事故の多発ですが、
リチウムイオンバッテリーの製品数の増加とバッテリー自体のコストカットの影響を受けていると私個人は感じました。
リチウムイオンバッテリーの発火の要因の1つとして、
外部からの衝撃等による変形などで、セパレータが破損することによる内部短絡が発生し発熱→溶媒である有機溶剤が可燃性ガスを放出し、発火するということが挙げられています。
バッテリーの軽量化・高容量を狙って開発されたリチウムイオンバッテリーなので、
外装の簡素化やエネルギー密度を高めるというのは使命だったのでしょう。
しかし、それらのリスクをカバーできる製品ではない場合や、
身近な存在になった安価なバッテリー利用製品の取り扱い方の悪化や使用環境の悪化、
そもそものバッテリーの品質が粗悪なものもあるでしょう。
これらは、新技術の開発から一般化される流れでは「よくある」とも言えると思っています。
そもそも電池は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換し蓄えているものであって、
高容量化することによって、そのバッテリーがもつエネルギーも増加します。
バッテリーの大型化で対応する場合や複数のバッテリーを搭載するなどの対処もありますが、
携帯性を損ねたくない場合や製品の軽量化を図っている場合は、そのような対処を行うことは難しいです。
「市場が求めるさらなる小型化」をする際に求められるエネルギー密度の高さも原因の1つと言えるでしょう。
事故を減らすためにすぐできる取り組みやポイントを知っておきましょう。
・衝撃を与えない
→外部から衝撃が加えられた場合は、その製品は使用しないようにしましょう。
もし衝撃を与えてしまったとき、バッテリーが変形しているときに、やむを得ず充放電を要する場合は必ず消火できる環境下、延焼しない環境下にあることを確認しましょう。
また目を離さず、出来ればサーモグラフィーなどで発熱・発煙にいち早く気づくことができる環境を確保しましょう。
→また一般ごみを混合した状態で廃棄する、乳幼児の手元に置くなどの衝撃が加えられるような環境に置かれないようにバッテリー製品の使用・廃棄を行いましょう。
・高温環境下での保管・使用をしない
→リチウムイオンバッテリー製品を適正に使用するための周辺温度は、一般的に0~35℃程度です。※製品によっても異なります。
直射日光が当たる環境や夏場では、使用機器の温度が適正温度を超過することも多いです。
近年の機器では、稼働上限を定めて、機能を停止・制限するものもありますが、周辺温度や機器の温度の測定・制御回路を搭載していないものもあり、使用者が使用環境の状況を考慮する必要があります。
・リコール対象製品の確認を
→スマートフォンや家電製品・自動車などは、リコール情報が出た際に購入履歴や使用端末、製品の登録情報からリコールのお知らせが来ることが多いです。またCMやニュースなどで話題として取り上げられることも多いでしょう。
しかし、モバイルバッテリーなどはそのようなお知らせが少ない です。
自分で調べて知っておかなければならない ということです。
・製造事業者・輸入事業者・販売事業者が確かな製品を選ぶ
→バッテリーの製造事業者・輸入事業者・販売事業者のうち、1つでも良いので、信頼できる企業のものを購入することがオススメです。
・分解や改造をしない
→これを行う人の多くは発火の危険性を承知の上で作業をしていると思いますが、知識のない分解や改造は事故に直結する危険性が高いです。
JIS規格に関する内容も雑談会で書いていきたいと思います。
最後に実際のスマートフォンやモバイルバッテリー、ポータブル電源の製品仕様の一例を挙げておきます。
各商品仕様の外部リンクも載せておきます。
Apple iPhone 17 :動作時環境温度0~35℃/保管時:-20~45℃
https://www.apple.com/jp/iphone-17/specs/
Samsung GALAXY S25 :使用時環境温度5~35℃(36~40℃であれば一時的な使用可能) 使用電池リサイクル種別:Li-ion 00(正極主要金属:コバルト)
https://www.au.com/online-manual/galaxy_s25/galaxy_s25_01/m_01_00_03.html
Anker Zolo Power Bank:動作温度0~35℃ 使用電池リサイクル種別:Li-ion 20(正極主要金属:ニッケル)
Jackery ポータブル電源 500 New:電力供給・蓄電ともに-20~45℃ 使用電池リサイクル種別:Li-ion 32(正極主要金属:鉄)
https://cdn.shopify.com/s/files/1/0100/1537/5438/files/Jackery_500_New_20250617.pdf?v=1750410730
本日はここまでです。次回のリチウムイオンバッテリー回は製品の処分についての記事を書いていきます。
※リチウムイオンバッテリーの次回記事は10月上旬を予定しています。