21Nov
みなさん、こんにちは。
本日は、雑談回です。本日、11月21日は、カキフライの日です!
みなさん、牡蠣はお好きでしょうか。
今時期は様々な飲食店でもカキフライが提供されていますね。
ということで、今回は牡蠣の話では必ずといっていいほど話題となる、「カキにあたる」ということについて、生牡蠣の基準などから見ていこうと思います。
まずは、厚生労働省が発表している生食用かきの成分規格について抜粋します。
1,細菌数は検体1gにつき50,000以下でなければならない
2,E.coli(大腸菌)最確数は、検体100gにつき230以下でなければならない
3,むき身にした生食用かきの腸炎ビブリオ最確数は、検体1gにつき100以下でなければならない
とされています。
最確数の測定方法などは、厚生労働省HPをご確認ください。
生食用のかきの基準について、少し話を聞いたことがある方であれば、海域によって制限を受けているということもご存じかと思います。
この内容は、加工基準で記されています。
加工基準では、
1,原料用かきは、海水100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海域で採取されたもの、または、それ以外の海域で採取されたものであって100ml当たり大腸菌群最確数が70以下の海水又は塩分濃度3%の人工塩水を用い、かつ、当該海水若しくは人工塩水を随時換え、又は殺菌しながら浄化したものでなければならない。
となっています。つまり、大腸菌群の最確数が少ない海域で採取したものであるか、基準以下の環境下を保ちながら浄化させたものである必要があるとされています。
それ以外にも
2,原料用かきを一時的に水中で貯蔵する場合は、大腸菌群最確数が70以下の海水か塩分濃度3%の人工海水を用い、かつ、これらの水を随時交換するか、殺菌しながら貯蔵する必要があります。
他にも、衛生面に関する内容や器具の洗浄、殺菌についての内容や、生食用のかきの加工では、次亜塩素酸ナトリウムを除く、化学的合成品の添加物を使用禁止としています。
生食用かきの保存基準については、以下の通り定められています。
1,生食用かきは10°以下で保存する必要があります。ただし、生食用冷凍かきの場合は、-15°以下で保存する必要があります。
2,生食用のかきは、清潔で衛生的な有蓋の容器に収めるか、清潔で衛生的な合成樹脂、アルミニウム箔若しくは耐水性の加工紙で包装し、保存する必要があります。だたし、生食用冷凍かきは、清潔で衛生的な合成樹脂、アルミニウム箔又は耐水性の加工紙で包装した上で保存が必要です。
これだけの管理がされている生食用のかきであっても、体調が優れないときに食べたりすると、体調を悪化させる場合があります。
なぜ、貝類では牡蠣の食中毒症状の例が多いのでしょうか。
それは、牡蠣を食べる部位に関係しています。
生物が毒素を溜めこむ部位は主に内臓です。食物連鎖によって、生物濃縮が起こります。牡蠣以外の貝類では、生で内臓を食べることは少ないのではないでしょうか。
少なくとも、生食用かきに比較して、多く、身近に感じるものはないかと思います。
生食するときには、貝柱だけを食べるものが多く、臓器部分を食べる場合には加熱することが多いからです。
ここまでこの内容を読んできて、「ノロウイルス」に関する基準の記載がないことに気づいたでしょうか。
少ないウイルスの数で発症し、二次感染力も強いノロウイルスですが、明確な基準が定められているわけではないのです。
そして、そのノロウイルスがどこから来るのかの明確なルートは分かっていません。
ヒトが持つノロウイルスが海洋中に生活排水とともに流れ、カキが濾過食をするときに、体内に蓄えてしまうという理由が多く、現在のカキの収穫に当たっては、海域で加熱用・生食用が分けられ、陸地付近で育ったカキは、加熱用として出荷・販売されています。
しかし、生食用のカキを食べたときでも、ノロウイルスに感染する可能性がないというわけではありません。そのような場合、カキはどこでノロウイルスを得てしまったのでしょうか。様々な要因が考えられていますが、現時点では「鳥」が原因ではないかといわれています。
ただ、この原因が分かったからといって、具体的な対処法は加熱処理(中心温度90℃以上、90秒以上)しかないようです。
また海洋中のノロウイルスをすべて除去するということも現実的ではありません。
海洋資源内のウイルスについての調査が進むことや、ウイルスの不活化、検査方法の進化を期待したいですね。
生食をする上では、ノロウイルスのリスクは避けられないということです。
ということで、生牡蠣が好きな方もいらっしゃるかと思いますが、今日はカキフライの日なので、カキフライで食べてください。
それではまた。










